MODX Evolution
MODXが生まれたのは2005年10月末。その後4年間かけてベータ版として開発が進められ、2009年8月に「MODX Evolution」という名前で正式リリースされました。ベースとなったEtomiteの思想と特性を受け継いでいます。
徹底した省メモリ設計。0.000x秒の高速出力
- MODX Evolution 1.18MB
- MODX Evolution 1.0.6J-r1以降 15KB(※バイパスキャッシュモード)
- MODX Revolution 5.17MB
- WordPress 17.69MB
- Joomla! 8.56MB
- Concrete5 9.52MB
- Seezoo 4.22MB
- SOY CMS 7.43MB
- Geeklog 7.77MB
- NucluesCMS 3.05MB
- XOOPS Cube 5.06MB
- CMS Made Simple 7.57MB
- Drupal7 13.57MB
- gpEasy 1.25MB
- LightNEasy 0.4MB
- GetSimple 0.64MB
- PukiWiki 1.95MB
- WonderCMS 21.77KB(0.02MB)
主なCMSがページの表示に用いるメモリ消費量を、標準でインストールされるサンプルのトップページで計測した場合の比較です(※2012年調査)。キャッシュの設定をバイパスモードにセットすると、基本処理オブジェクトの呼び出しすら行なわず、キャッシュファイルを出力する処理のみを行ないますので、最も軽快です。
エクスポート機能
静的HTMLファイルとしてサイトをまるごとエクスポートする機能があり、軽量な表示が必要な場合はこれが最も威力を発揮します。
大規模サイトにも向いている
100万ページ規模のサイトでもほぼ負荷が変わらず問題なく動作します。
管理画面の特長
管理画面はこのようになっています。
▲エクスプローラのような左側ペインのリソースツリーが特徴的です。Revolutionと比べて、フレーム構成のため画面遷移が最小限に抑えられており、レスポンスよく操作できます。
▲リソース(ページ)の作成・編集は簡単。編集したいページのアイコンをクリックするとメニューが表示されます。
▲ワンクリックで編集画面を開くことができます。あとで違う場所に移動したり、コピーしたり、不要であれば削除したり、一時的に隠しておいたり・・・たいていの操作を簡単なメニュー選択で実行できます。ワープロのような編集画面の分かりやすさも特徴的です。
▲ナビゲーション(メニュー)の管理も簡単。
管理画面カスタマイズの柔軟性
ManagerManager(同梱プラグイン)を利用して、投稿画面をカスタマイズできます。Revolution内蔵のカスタマイズ機能と比べると、PHP文として処理を記述できるため、柔軟な条件判定が可能です。
スニペットによる機能拡張
Evolutionには標準でWayfinder・Ditto・eFormなどのスニペットが同梱されています。
シンプルな処理
ページを表示するための処理の大半がdocument.parser.class.inc.phpに集中しているため、トラブル発生時の問題切り分けがスムーズです。
補助ツール
本体の機能を補佐するために、いくつかの補助ツールを管理画面内に備えています。これらの機能は、将来はモジュールとして独立する可能性があります。
バックアップ機能
データベースの内容をバックアップします。
リストア機能
バックアップしたデータを用いてリカバリーします。
スナップショット機能
サーバ上でバックアップ・リストアを行なうことができます。Windowsの「システムの復元」に似ています。
サイトのインポート
htmlファイルで構成された既存のサイトをMODXのデータとして取り込みます。Revolutionの同機能と比べ、高い精度で動作します。
サイトのエクスポート
インポートとは逆に、MODXで管理しているサイトを静的htmlサイトとして出力します。
Evolutionの短所(Revolutionとの比較)
パーサの処理能力
Revolutionと比べるとパーサの処理に関して制限があり、タグを入れ子で書いたりPHxを利用したりする場合に、意図どおりに出力されないことがあります。常に改善を続けており、現在はRevolutionに近いレベルで処理ができるようになっています。
※基本的には、パーサの誤動作を誘発するような複雑なタグ記述は可読性を損ないますので、できるだけシンプルに記述するほうがよいと思います。
今後の開発について
2012年春より、次バージョン1.1に向けた意見交換が本格化し、日本語版の改善も取り込む形で、パイロット版及び新しい管理画面のモック作成が行なわれました。上記のいくつかのスナップショット画像は、新しい管理画面のモックです。コアとは連結していないため、実際には動作しません。
2012年5月25日、MODX LLCの代表者であるライアンから公式な声明が発表され、「選択と集中が重要」という考えに則り、フォーラム上で議論が交わされていた1.1の開発はあえて行なわないことになりました。EvolutionとRevolutionの開発は段階的に終了し、その代わりにMODX3.0をリリース。続けられていた議論については、これらの意見を集約する形でMODX3の開発を進めることになりました。
2013年4月、MODX3の開発の着手は一時的に見送り、代わってEvolutionの開発再開が決まりました。日本語版とウクライナ版の継続的な開発実績が認められ、それぞれの主要開発者を新メンバーとして迎え入れる形です。
2016年2月、本家版Evolution1.1がリリースされました。見た目はほとんど変わりませんが、今後の発展の基礎となる基本仕様が盛り込まれています。
日本チームでは、Etomiteのシンプルな素質を引き継いだEvolutionの可能性に注目しており、本家版の開発と並行して改善を進めています。上記モック画像の機能実装も進めていきます。
ClipperCMS
http://www.clippercms.com/forum/viewtopic.php?id=344
※ 2016年11月末、ClipperCMSはプロジェクトの終了をアナウンスしました。
2012年3月~5月の議論を経て、その後、数人のアクティブメンバーがMODX本家フォーラムを離れて独自の活動を始めることになりました。MODX EvolutionのフォークとしてClipperCMSを立ち上げ、開発が始まりました。
当初の目的は過去バージョンとの互換性の確保でしたが、その後、独自の改善を行なう方向で積極的な改善が進みました。
デフォルトの管理画面。
付属の管理画面スタイルです。
現在のところ、未解決の軽微な脆弱性がいくつか残されています。導入の際は注意してください。