【MODX事例】株式会社メディアクリエーションズ様インタビュー
2011年7月某日、MODX Japanの協賛企業(スポンサー)になっていただいた株式会社メディアクリエーションズ様オフィスへおじゃまし、インタビューを行いました。
秋葉原からつくばエクスプレスで一本、つくば駅近くに構えるオフィスを訪ねると代表取締役松田様が快く出迎えて下さいました。
年間約300サイトの制作実績
―― MODXの利用を始めたきっかけはなんでしょうか?
弊社は主にホームページ制作を手掛けており、クライアントの9割以上は、独立行政法人や国立大学などの国の機関、その他私立大学などです。この業界では少し前までCMSというキーワードも無かったのですが、ここ数年CMSに対する需要が高まり、CMSを使ったWebサイト制作依頼が増えてきました。
弊社でもCMSとしてWordPressを導入するケースは多くありました。しかし、WordPressはクライアントである教授や准教授の先生方から「使いづらい」との意見があり、代わりとなる他のCMSを探していた時にMODXを知りました。
MODXを試験的に導入したところ、非常に使いやすく、お客様からお褒めの言葉を頂いたことがきっかけとなり、それからMODXをメインCMSとして利用していくようになります。
尚、2010年の実績では約300サイトを作成し、そのうち半数の約150サイトにMODXが使われています。
― MODXのどのあたりが 採用の決め手となったのでしょうか?
WordPressは情報を蓄積していくブログツールに近く、情報の蓄積に加え過去の情報の更新も頻繁に発生するサイトに対しては若干不向きな部分がありました。
MODXでは管理画面の左側にツリー状にコンテンツ一覧が表示され、Windowsのエクスプローラと同じ感覚でコンテンツを管理することができます。そのため、修正したいコンテンツはツリーをたどるだけで見つけることができますし、任意の場所へのコンテンツの追加も直観的で分かりやすい部分が好印象だったようです。
(soushi注…一般企業の運用担当者と話をするとMODXの管理画面は複雑という印象をもたれることが多いのですが、先生方の場合、逆に使いやすいという印象をもつことが意外でした)
また、MODX自体の機能がシンプルで軽いことです。DrupalやploneといったCMSも扱っていますが、どちらかというと大規模サイト向けになるため、サイトの規模感からして採用するにはやや大げさかという印象がありました。
― 既存サイトのCMSをMODXに乗換えたことはありますか?
現在利用しているCMSとMODXの操作性を比較検討いただき、乗り換えるケースがあります。特に研究室のサイトの場合、毎年のメンバー交代に伴う更新や、論文公開などがあり、コンテンツ管理のしやすさが求められます。
MODX Japanのスポンサーへ
― MODX Japanのスポンサーになった理由はなんでしょうか?
最初にも話しましたが、昨年実績のうち約半分のサイトにMODXを導入しており、「何かお手伝いできれば」と思い、スポンサーになりました。
他の有名なCMSに比べるとMODXそのものの知名度はあまり高くはありません。しかし、CMS導入を検討する際、弊社の事例やMODX Japan公式サイトを紹介するとお客様自身が独自にMODXについて調査し、その結果採用頂くケースもよくあります。
(soushi注…ということはMODX Japan公式サイトも一定の効果を発揮しているのでは…と思います)
― 年間300件ものサイトを納品されてますが、その後のサポートは大変ではないですか?
基本的に納品後のサイトの運営はすべてお客様にお願いしています。そのため、納品時には弊社にて専用のマニュアルを作成、かつ説明会を開き、十分な時間をとり運用に必要な知識をお客様に身に着けて頂いています。
また、納品後のサポートも重要視しており、基本的に納品から1年間はサポート対応を行っています。
― 導入する上で大変なことはありましたでしょうか?
大学などのネットワークはセキュリティ要件が厳しい案件が多く、MODXをインストールすることができなかったり、インストールできても運用上の制約を受けることもありました。
例えば管理機能(manager)は完全に裏に隠す必要があったため、公開側のWebサーバにMODXをインストールすることができず、外部から接続できない管理用のWebサーバにMODXをインストールし、こちらで生成したコンテンツをFTPで公開側のWebサーバに転送する構成をとったことがありました。
この場合、FTPでコンテンツを転送する部分は弊社で自社開発しています。
また、場合によっては学内のサーバは利用せず、外部のホスティングサーバを利用してサイトを公開することもあります。
魅せずに読ませるWebサイト
― 学術系に特化するにあたって、工夫されていることは何ですか?
学術系の場合、企業サイトのような派手な見栄え・デザインは必要なく、論文や研究内容が読みやすく、伝わりやすいことが求められます。そのため色彩はアースカラーが中心となり、サイトデザインも工夫する場合があります。
また、これらを手がけるにあたり、クライアントの専門分野についての幅広い知識が必須であり、提案やサイトデザインの際に役立っています。
松田さま、大塚さま、お忙しい中ありがとうございました。
編集後記
インタビュー終了後、kmikageさんが起こしたたたき台記事を、公開記事用に整理しながらこのページを作ってきたときに、Operaさんの機嫌が悪かったらしく途中で落ちてしまいました。ただ、「Operaが落ちる」と感じた瞬間に「alt+printscreen」を押しており、これで「せめて画面に映っている記事だけでも救える」と思っていたものの、ペイントに貼り付けると別のウィンドウをキャプチャしてました(何故、altを押していたのか…)。普段はこまめに保存してるはずなのに、こんなときに限って一切保存をしてなかったので、殆どの入力記事が吹き飛ぶことになりましたorz 本当、こまめな保存は大事ですね…。
また補足になりますが、インタビュー中にMODXやMODX Japanへの要望も伺っていたので、こちらに記載します。
- MODXに関するセミナーの開催
- 新しいMODX本
- ワークフロー(承認機能)
お客様にMODXについて紹介すると、独自でMODXの調査をすることがあり、その時にセミナーの有無やMODX関連書籍について話が出ることがあるようです。今年はオープンソースカンファレンスへの参加、8月予定のコミックマーケットへの参加と対外的な活動はありますが、回数は少なかったといえど昨年まで実施していたMODXセミナー/勉強会は人数的な問題もありまだ実施していません。定期的なセミナー/勉強会の開催はMODX Japanの課題の一つといえます。また、ワークフロー(承認機能)についてはMODX本体には存在しませんが、なければ作るという精神で開発を行うか、もしくはワークフローのプラグインが公開されているので、そちらを採用するという方法があると思います(前者に関しては以前のオープンソースカンファレンスにて「簡易ワークフローの実装方法」をセミナーで稚拙ながら私が発表しているので、要件によってはそのときの資料が参考になるかもしれません)。
(soushi)