MODx Evolution 1.0.4 日本語版Revision3をリリースしました
2010年10月4日 23時50分 shortlink:http://modx.jp/?id=216
毎月定例の日本語版のリビジョンアップを1.0.4J-r3としてリリースします。今回は、投稿画面のカスタマイズに細かい不満があった人・@Bindingsの機能に不安を感じていた人・MODxのパス(URL)の扱いの理解に自信がなかった人の期待に(ある程度)応えるアップデートとなっています。ヘルプをさらに充実させましたので、ぜひ参照してください。
また、リソース新規作成時のメニューインデックスの自動増分のバグにも対応しました。リソースを新規作成した時、ツリーへのぶら下がり方が最近変わった?と疑問を感じていた人はぜひアップデートしてください。
■MODx Evolution 1.0.4 日本語版 Revision3 ダウンロード
http://code.google.com/p/modx-ja/downloads/detail?name=modx-1.0.4J-r3.zip
0.9.6.3以前からアップデートする場合はQuickEditプラグインとBottom Button Barプラグインが不要になりますので、使わない場合は削除してください。
■コアのみのアップデータ(0.9.6.2以降が対象)
http://code.google.com/p/modx-ja/downloads/detail?name=updater1.0.4-r3.zip
managerフォルダをそのまま上書きし、管理画面にログインしてください。0.9.6.3以前からアップデートする場合はBottom Button Barプラグインが不要になります。0.9.6.3以前からのアップデートは、できればフルパッケージのインストーラを用いて拡張機能ごとアップデートするのがよいでしょう。
変更内容
- グローバル設定の「相対パスを渡す」設定をファイルブラウザ使用設定と連動させる。ファイルブラウザを使わない場合はどこにも影響しない
- グローバル設定の「相対パスを渡す」が「はい」で、TinyMCEのパス設定が「docrelative」の時はパスを変換しない。意味がないし、トップページへのスラッシュ止めのリンク(href="/"やhref="http://example.com/"など)を張れないため
- makeurlメソッドとmakeFriendlyURLメソッドにオマケ機能を追加(コメントアウトで無効にしてます。興味ある人は探してみてください)
- ヘルプを追記
- TinyMCEのtextareaスタイルシートのセレクタ表現を弱めて、自作のカスタムCSSを適用しやすくした。カスタムCSSを適用するためのノウハウはヘルプに追記しました
- 投稿画面をIE6対応。input要素(checkboxやbuttonを含む)に対して一律に横幅300px指定している箇所が影響していたため
- イメージエディタの軽度の脆弱性対応。外部からの攻撃に関係するものではなく、オペレートミス由来 ※10月6日追記:外部から操作できます。ログインした状態で、トラップが仕掛けられたサイトにアクセスすると発動するセキュリティホールです。修正が施された当バージョンへのアップデートを推奨しますが、グローバル設定でリファラチェック機能が有効になっている場合は問題は起きません。
- 投稿画面のスタイル指定をテーマ側に移動(一部のみ)
- グローバル設定の「メニューオーダーの自動増分」が機能しなくなっていたため修正
- $modx->rewriteUrlsメソッドをリファクタリング。処理を割り込ませやすくなったので、今後の機能追加に期待。たとえばリンクタグ内のリソースIDを全角で記述してしまった場合にエラーを出力するなどの処理が可能になるはずです。rewriteUrlsメソッドは、リンクタグをURLに変換するメソッドです
- 投稿画面のcheckbox・radioボタンタイプの入力フィールドのスタイル改善。br要素でベタに並べるのを廃止。label要素も適切に使用。クリックしやすくなったし、スタイルシートでデザインを施すのも簡単になりました。デザインの設定方法はヘルプに書きました
- 投稿画面のlistboxタイプの入力フィールドのスタイル改善。選択肢が3つ・4つ程度しかない場合でも自然な見映えに
- リンクタグを展開した状態でキャッシュ生成。負荷軽減に多少の効果
- ファイルブラウザのIN_MANAGER_MODEの定義のタイミングを調整
- @Bindingsを無効にするフラグを追加(設定用のプラグインを同梱)
- imageウィジェットでalign属性の出力を省略できるようにした。そもそもalign属性は非推奨属性
- モジュール新規作成時に管理画面全体をリロード(ナビゲーションに追加するため)
- グループ管理機能をデフォルトでオフにする
- 「重複エイリアスを許可」のデフォルトを「いいえ」にする
- TinyMCEのカスタムプラグイン設定のデフォルト値を修正
- コア単体のアップデートスクリプトを見やすくリファクタリング。主に開発者向けの改善
- Breadcrumbsスニペットのsite_start出力をWayfinderと揃える
- インストーラの「戻る」で戻った時、パスワード(確認入力)の値が復元されないため修正
- TinyMCEプラグイン内の不要なimagesディレクトリを削除
- TinyMCEを3.3.9.2に更新。IE9対応が進む
サポート
不具合や改善要望など、フォーラムで連絡いただければ分かる範囲で有志メンバーがお答えします。フォーラムで相談しにくい内容は問い合わせフォームを利用してください。サポート対応はMODxの改善につながりますので、開発している私達にもメリットがあります。お気軽にどうぞ。
アップデートの手順
http://modx.jp/news/2010/158.html
解説ページをまだ用意していないため、上記を参照してください。アップデートを始める前に必ずデータベースのバックアップをとりましょう。
次回リリースについて
次回のリビジョンアップは11月初旬を予定しています。
スクリーンショット
▲Breadcrumbsスニペットのリンク出力を改善
▲Breadcrumbsスニペットで出力する「トップページへのリンク」をWayfinderと同様にsite_urlとしました
▲imageタイプのウィジェットを適用した時、必要ないalign属性を出力しないようにしました
▲@Bindings機能の有効・無効を設定するための項目を追加するプラグインを今回より新規に同梱しました
▲グローバル設定に新しい項目が追加されます。いったん設定してしまえば、プラグインは削除してもかまいません。@Bindings機能自体をプラグインで有効無効を設定することはできないため、無効設定ができるようコアに手を入れています。設定をプラグインで制御することにより、コア側の変更を一行だけに抑えることができました。
※今回の対応は暫定的なものであり、今後は異なるアプローチを採用する可能性がありますので、アップデートのたびにアナウンスをご確認ください。当設定が原因で不具合が起きることはありませんが、アプローチが変わった場合は、無効にしたはずの@Bindings機能が有効に戻る可能性があります
▲投稿画面のレイアウトがIE6で崩れていたため修正。IE6にも一般的な問題はいろいろありますが、今回はMODx側のスタイルシートに問題がありました。メンテナンスの手間を考慮し、あまり厳密には対応しません
▲「相対パスを渡す」はファイルブラウザのみに関係する設定のため、「ファイルブラウザを使用」と関連付けました。ここだけに限らず、グローバル設定の整理と拡張性の実装(※無理なく拡張できますがUIが存在しません)は現在のMODx Evolutionの課題のひとつとなっています
▲TinyMCEのtextarea用スタイルシートの記述を簡素化しました。セレクタ表現による重み付けが弱くなったことで、カスタムCSSによる値の上書きがしやすくなりました
0.9系のMODxを今でも使っているサイトはまだまだ多いと思いますが、そろそろ1.0系をお試しください。脆弱性が解決されていて安心であることは当然として、パフォーマンス面が大幅に改善されて使いやすくなっています。安心してアップデートできるように、アップデータの処理もしっかり改良しました。