MODx Evolution 1.0.2リリース
2009年11月7日 01時58分 shortlink:http://modx.jp/?id=145
※1.0.2のインストーラに不具合があり、1.0.x日本語版からのアップデートに失敗するケースがあることが分かりました。対応版を数日以内にリリースしますので、アップデートを検討している場合はしばらくお待ちください。
※1.0.2Jの公開直後の2時間の間にダウンロードした人(6名いらっしゃいます)は、もしアップデートで利用される場合はTinyMCEの挙動をご確認ください。アップデートがうまくいってない可能性があるので、その場合は旧TinyMCEの動作を停止してください。現在公開している1.0.2Jはこの問題を修正済みです。
11月6日、MODx Evolution 1.0.2がリリースされました。本家版・日本語版同日リリースです。
http://code.google.com/p/modx-ja/downloads/detail?name=modx-1.0.2J.zip
日本語版ダウンロードはこちら。
http://modxcms.com/download.html
本家版はこちらです。
http://modxcms.com/forums/index.php/topic,41882.0.html
本家開発チームによるリリース文はこちら。主に以下のような内容で、どちらかというと1.0.0以前のユーザに向けたメッセージとなっています。今回の1.0.2は先日リリースされた1.0.1と実質的に同じで、見つかった不具合を修正して1.0.1を完成させたものと解釈できます。
- セキュリティ改善
CSRFの脆弱性を修正。
AjaxSearchが1.8.4にアップデート。 - ManagerManagerプラグイン
ManagerManagerが、コアプログラムとして採用されました。jQueryを活用しており、隅々までカスタマイズ可能。タグ、カラーピッカーなど有用な機能がそろっています。 - transAliasプラグイン
各国言語を意識したSEO対策が可能。検索エンジンを惑わせないURLを出力します。具体的には、ウムラウト付きの文字などをシンプルなascii文字に変換します。 - インストーラー
インストーラーの改善。ルールに則って記述された拡張プログラムを既定のディレクトリに置くだけで、インストーラがその情報を読み取ってプリインストール候補の一覧に出力できるようになりました。 - QuickManager+
さらに使いやすく改善。左端のMODxロゴをクリックするとQMバーを最小化できるようになりました。
上記はすべて1.0.1で実現された内容です。
実際にアーカイブ全体を見渡してみると、数日前にリリースされた1.0.1の不具合対応が今回の主なタスクとなっていることが分かります。上記リリース文では1.0.1と1.0.2をセットで見なした告知となっており少し分かりにくいため、当ページではもう少し詳細にご紹介します。特に1.0.1を利用している人には重要な内容となっています。
まず、先日リリースされた1.0.1では、Adminロール以外のメンバーでリソースを新規作成するとイレギュラーな状態でデータが保存される不具合がありました。リソースタイプの値が空白となるため、ドキュメントタイプのリソースなのかウェブリンクなのかを判定できず、編集のために再び開いた時にcontentが表示されません。リソースタイプが不明なためにサイトツリーにもアイコンが表示されません。これらの不具合を修正しました。
1.0.1ではtransAliasプラグインに由来する「Unterminated comment starting line 1」などのエラーログが一部環境で出力されていましたが、これを修正しました。
.htaccess内にサンプル文を追記しました。下記のような内容です。
#php_flag register_globals Off
#AddDefaultCharset utf-8
#php_value date.timezone Europe/Moscow
また、日本語版に関してはエンコード処理まわりのサンプルを追記しました。コメントアウトしてあるので、必要に応じてコメントを外してください。だいたいの環境において、ここはあまり気にする必要はないと思いますが。
searchHighLightプラグインに軽いバグがあったため修正しました。bodyタグにclassやidなどの属性が含まれるページを作ってある場合(そういうケースは多いと思いますが)、正常に処理できないバグがありました。
インストーラで管理画面の言語のデフォルト値を適切に自動選択できるようになりました。これは09系の頃から対応してましたが、Evolutionではデフォルトで英語に戻ってました。このため日本語版では決め打ちで日本語に設定されるようにしてましたが、今回の修正を受けて、日本語版も基本的に本家版と同一の処理を利用することにしました。これによりインストーラに関しては本家版と日本語版の差分が大幅に少なくなりました。
管理画面上でMODxのバージョンが一部表示されない不具合に対応しました。
新規インストール時・アップデート時の両方において、直後にサイトキャッシュ更新を促さない不具合がありましたが、これに対応しました。サイトキャッシュを更新しないと、アップデートしたエクステンションの情報などが更新されず、不具合となります。グローバル設定を空更新するだけでよいのですが、インストール直後にこれを促す処理に不具合がありました。
datetime_format(日付の書式)の初期値がイレギュラーだったため修正しました。日本語版では1.0.1Jの時点で修正しています。
エイリアス自動生成がデフォルトでオンになりました。ただし日本語環境ではオフにしておくのがよいと思います。1.0.1からtransAliasプラグインの日本語対応のために適切なエイリアスを生成できるようになりましたが、日本語をローマ字に変換すると長くなりますし、漢字の処理にも無理があります。アップデートの場合は元の設定が引き継がれますが、MODxを1.0.2から新規にインストールする場合はご注意ください。フレンドリーURL設定の推奨値については、管理画面右上の「ヘルプ」で詳しく解説していますので参考にしてください。
管理画面・インストーラの翻訳を改善しました。まだまだ改善の余地がありますし、ご意見いただければ助かります。
1.0.1ではリソース削除時の戻り状態がおかしくなってましたが、これを修正しました。
1.0.1ではサイトツリーペインのアイコン抜けの不具合がありましたが、これを修正しました。Administratorロール以外では不便だったことと思います。
修正ではなく仕様改善ですが、スニペットコールの複数行記述に対応しました。
たとえばこんな記述ができます。空白を無視するようにもなってます(今まではスニペットコールに空白が混じるとエラーになってました)。
※1 TinyMCE上で改行すると<br />タグなどが挿入されるため機能しないのでご注意ください。
※2 [[Ditto?parents=2&display=2]] というような、URLのGETクエリストリングふうの記述もできます。半角スペースの区切りとバッククォートを使いません。
1.0.1ではテンプレート変数のunixtimeウィジェットの日付データの扱いに不具合がありましたが、これを修正しました。
1.0.0からDoc Managerでテンプレート変数の更新ができなくなってましたが、これを修正しました。1.0.1ではMySQL4.0系に対応しましたし、これでひととおりの不具合には対応できたと思います。
tokenizerの不具合に対応しました。(tokenizer処理がどういうものかなど、詳細については確認してません)
1.0.1から同梱されるようになったManagerManagerプラグインで、「contentを非表示にする」設定ができないなどの不具合が発生してましたが、これらを修正しました。1.0.1から投稿画面のhtml構造が大幅に変わっているため、同梱のManagerManagerは1.0.x系専用のものとなります。
QuickManagerで利用するcolorbox.jsを、quickmanagerディレクトリ配下にまとめました。
transAliasプラグインで「%」を適切に処理するようにしました。本家開発チームのリリース文では「removing periods」となっていますが、これは正しくありません。「%」です。
WebChangePwdスニペットでパスワード文字列にイレギュラーなコードを埋め込める問題があり、これに対応しました。
ダッシュボードの「オンラインユーザ」の情報が正確でなかったため、これを修正しました。
日本語版に関しては、TinyMCEプラグインの最適化を進めています。本家版1.1で採用される予定です。編集画面のtextareaのスタイルシートの格納先が変更されているため、ここに手を加えている人はご注意ください。本家版との差分を減らすために、そのようにしました。ただし、グローバル設定で指定している場合は(これまでそのようにしてますが)、グローバル設定が優先されます。その次に、TinyMCEプラグインの設定タブの設定を参照します。
全体的に本家版との差分がより少なくなりました。
一方、日本チームからの提案が多数採用されています。1.0.1・1.0.2共に、脆弱性対応については日本チームからの報告によるものです。
日本語版においては、フォーラムなどでサポートを受ける際に必要とされる情報をヘルプ画面で容易に取得できるように配慮してみました。
■日本チームからのお願い
開発に興味がある人は、ぜひ日本チームにご参加ください。世界的に注目を受けているCMSの開発に参加できます。本家開発チームは基礎的な開発力がやや弱く(※問題点は把握されてますが、人手が足りてません)、既存のライブラリなど寄せ集め的なノウハウとオープンマインド(重要!)でかろうじて開発を支えているというのが現状です。ベテラン開発者の参入を切望しています。また、英語が得意なコミュニケーターも必要です。技術は苦手でもかまいません。
テスター協力も歓迎します。現状は1人か2人で多少チェックする程度でリリースしていますが、さらに数人集まればチェックが充実します。