MODx Evolution 1.0 正式版リリースのお知らせ
2009年8月1日 10時55分 shortlink:http://modx.jp/?id=111
長い間お待たせしました!
MODx Evolution 1.0 正式版をリリースしました。本家版・日本語版それぞれ同日リリースです。ベータの時期が長かったMODxですが(2005年から数えて4年!)、ベータのままではマーケティング面で不利と判断されかねないため、正式版としてリリースすることになりました。単純にリビジョンを変更しただけでなく、内容においても細部のFIXを充実させ、正式版を名乗るにふさわしい仕上がりとなっています。
本家抱え込み部分が多かったMODx普及関連活動が、昨年から各国に対し開放されるようになったため、国ごとの事情に細かく配慮した普及活動とモデレーション(不具合報告や提案など、本家と国内ユーザの仲介)がしやすくなっています。日本においては、そのひとつが日本公式サイトであり、もうひとつが今回同日リリースした日本語版MODx Evolutionです。同様の活動は他国でも見られます。
本家版で進行している多言語対応に関しては、日本語版のメンテナンスを通じてローカライズを充実させたうえで逐次提案に持ち込む方針です。今回の本家版に関しても、日本チームの提案が多数採用されています。
日本語版MODx Evolutionは上記からダウンロードできます。(Google Codeプロジェクトから)
日本語版の特長
- 日本語専用のインストーラ。他国の言語を選ぶインターフェイスを省略しました。
- サンプルコンテンツを一部翻訳しました。
- スニペットやプラグインなどアドオンの要約文を翻訳しました。
- グローバル設定の初期値をローカライズ(翻訳・MODx新着情報フィードのURL・日付の書式など)
- 管理画面のデザイン・レイアウトを改善。特に日本語文字列長に関係する横幅指定や、フォントサイズは細かく調整しています。
- エンコード選択をUTF-8とEUCの2択に絞りました。
- 他国の言語リソースを整理。これにより全体のアーカイブサイズが半分近くになりました。
- 英語ファイルの重複読み込みをできるだけ回避し、ほんのわずかですがパフォーマンスアップを図りました。
- メール送信まわりの文字化け対応。本家版はUTF-8、日本語版はISO-2022-JPでメールを送信します。
- ファイルアップロードのマルチバイト対策。
- 投稿画面のTinyMCE機能を改善。Chrome・Safariに対応しました。
- ヘルプを同梱しました。日本語版独自の機能で実装したヘルプではなく、今回の正式版で実装された仕組みを利用しています。この領域はカスタマイズ推奨領域として提供されているので、業務としてMODxサイトの構築を請け負っている場合などは、ここにサポート情報を盛り込むとよいでしょう。他にはログイン画面やログイン直後のダッシュボード画面などもカスタマイズ領域として分離されています。/assets/templates/ ディレクトリをご確認ください。
- その他、本家提案見込みの機能改善
これらの機能は本家版に取り込まれていく可能性があります。いずれはWordPressのように、プラグインによるマルチバイト対応と翻訳対応のみで日本語版として利用できるようになることを理想としています。
多言語対応サイトを作ったり、管理スタッフの国籍が複数に及ぶ場合などは本家版の採用をおすすめします。
Ver 0.9.6.3からの変更点
http://modxcms.com/forums/index.php/topic,38202.0.html
詳細については上記をご覧ください。以下、本家版・日本語版に共通する特に重要と思われるポイントです。
- ドキュメント・フォルダ・リソースは「リソース」「コンテナ」「エレメント」と呼ばれることになりました。大きな変更ですので、業務上の支障がある場合は言語ファイル内の単語を置き換えて対応してください。
- QuickEditの代わりにQuickManagerを採用しました。
- Bottom Button Barを削除し、代わりにコア実装のアクションバーを採用しました。
- News Publisher スニペットを削除しました。これに伴いサンプルサイトのミニブログも機能を縮小しました。
- Prototype.js/Scriptaculousを削除しました。
- 投稿画面で画像を貼り付ける時、httpから始まるフルパスを渡すようになりました。ただし本家版はグローバル設定のデフォルト値が「相対パスに変換する」のままのため、相対パスが貼り付けられます。日本語版はリリース直前に修正しました。
- 日時の書式が選択できるようになり、管理画面全体で統一されました。一般的なサイト運用においては問題はありませんが、日時タイプのテンプレート変数を作って利用している場合は、設定値によっては互換性が失われることがあるため注意が必要です。日時タイプのテンプレート変数は、値をUNIXタイムスタンプ値ではなく日付文字列のまま格納します。
日本語版に関する重要ポイントは下記のとおりです。
- メール送信まわりは日本語版独自のコードを盛り込んだため、もし不具合があった場合は本家版のノウハウは参考になりません。日本語フォーラムでご報告をお願いします。
- 投稿画面のパス処理をhttpから始まるフルURL形式にしました。本家版も同じ方針ですが、本家版はグローバル設定が「相対パスに変換する」のままなので実際には今までどおり相対パスが貼り付けられます。日本語版はリリース直前にこの点を修正しましたが、結果としては本家版とは挙動が異なることになります。
- 日本語版は他国のリソースを同梱していません。機能は削除していないので、追加でコピーすれば本家版と同等の多言語対応サイトを運用できます。メール送信時の文字コードはデフォルトでISO-2022-JPになっていますが、各場面でmail関数を直接呼び出している本家版に比べ日本語版はMailerClassを経由しているので、もしかすると日本語版を改造するほうが多言語サイト対応はしやすいかもしれません。この点は本家開発チームへの提案を予定しています。日付書式対応と同様に、APIの追加という形での提案を検討中です。
- 他国のリソースを削除した代わりに、0.9.5以降同梱されなくなったEUC言語ファイルを復活させました。ただし中身は持たず、開発チームの管理コストを下げるためにUTF-8言語ファイルの内容を動的にEUCに変換して利用する方式をとっています。またスニペットやプラグインなどアドオンの言語ファイルはUTF-8のみしか用意していません。EUC運用に関しては、これまでどおり基本的に自力で対応できるスキルが必要となります。コアの機能としては現時点では精密にはサポートしないだけなので、フォーラムでの相談はお気軽にどうぞ。
これまでのバージョンと同じく、アップデートの際はデータベースのバックアップを必ずとるようにしてください。改善点に関しては機会を改めてご紹介いたします。