狙いを定めること・シンプルであり続けること

最終更新日:2012年6月9日 shortlink:http://modx.jp/?id=826

今年の3月4日、MODX本家公式フォーラムにおいて、久しく開発が停滞しているEvolutionの開発再開を求める問題提起が行なわれました。一連の活発な議論を経て、開発チームは、今後のMODXの開発方針の更新を宣言しました。

以下は、MODXファウンダーでありMODX LLCの代表者でもあるライアンの公式ブログ記事を翻訳したものです。英語のままでも解釈が難しい部分があり、大半を意訳とさせていただきました。
※当翻訳は、日本語版Revolutionの翻訳を行なっているHondaさんのサポートをいただきました。



狙いを定めること・シンプルであり続けること

2012年5月25日 Ryan Thrash

今日はEvolutionとRevolutionについて、親愛なるMODXユーザー達(もちろん私もそのひとり)から長年に渡って繰り返されてきた質問に回答を示す。この話題は、長期に渡って明確な課題とされていた。

両プロダクトには、それぞれ長所と短所がある。MODXのブランドとビジネスを担当するチームとしては、慎重に比較・検討する必要があった。


Photo Credit: Caleb Roenigk

そして今、私達は、今どこにいてどこへ向かおうとしているのか。そしてこの現状をどう打開すべきか。それを明確に悟ることができた。

まず、「創造的な自由」というキャッチフレーズを宣言する。

そして、これから私達が行う全ての決定を測る指標として、

「Webを構築する人々に、素晴らしいコラボレーション体験を創造する」

これを具現化していく。

世界中の多くの人々と対話を重ねた実感として、オープンソースCMSプラットフォームにおいていずれMODXは「ビッグ3」に入ると確信している。実際は、私達はまずNo.2の位置を狙っており、創造性で言えば明らかにNo.1だ。

MODXの旅の次のステージと、その狙い

まもなくリリースされる予定の幾つかのエキサイティングなプロジェクトに取り組む中で、最近になってからのことだが、「狙いを定めること(フォーカスすること)」の重要性を私達は学んだ。ビジョンを具現化することは、実のところ簡単な作業ではない。幾つものタスクに狙いを定める必要がある。

現在の課題は、下記のとおり。

プロモーションとプラットフォームは今まさに離陸しようとしており、問題ない。しかし2つの異質なプロダクト(Evo/Revo)を抱えているという事実が、狙いを定めることを妨げている。

Evo vs Revo

MODX Evolutionはそのシンプルさから、無欲なマニア層の熱烈な支持を受けている。しかしその古い設計は、プラットフォームの統合を妨げ、MODXの認知を特定のアプリケーションワーク(普通のサイト構築など)に制限してしまっている。

一方、MODX Revolutionは、様々な業態でポテンシャルを発揮する、よく整備された基盤を備えている。しかし習得の難しさは否めない。Evoと比べると、小規模サイトの運用・管理画面のカスタマイズ・権限の管理・管理画面の重さなど悩ましい要素が多く、全てのEvoユーザを救済できずにいる。

EvoからRevoへの移行に関するドキュメントも、いまだに整備されていない。

「3.0」よりシンプルな答えはない

私達は2013年中に、MODX 3.0 をリリースすることに決めた。「MODX」とバージョン番号の間に何の単語も無いことに注目してほしい。

「MODX3」のリリースと引き換えに、EvoとRevoの廃止をアナウンスする予定だ。その結果予想される混乱に対する対応については、機会を改めてアナウンスする。

双方ともレガシーアプリケーションとして、3.0のリリースから翌年まで、不具合の修正やセキュリティアップデート最低限のメンテナンスを継続する。特にセキュリティアップデートは、少なくとも1年間は継続することを約束する。実際はおそらく、もっと長くなるだろう。

EvoまたはRevoから3.0への明確な移行手順も用意する。

もし今から新しくサイトを始めるなら、Revoを使った方が、MODX3への移行は比較的スムーズだ。Revoは現在もMODX Cloudの中核を担っているし、ぜひ信じてほしいのだが、MODX CloudはMODXで生計を立てたい人々のためにクールな革新をもたらすものを目指している。

MODX 3のデザインとアーキテクチャの哲学は、4つのエリアに焦点を当てている。

仕事に戻ろう

MODXには、とても励みになるできごとが起きている。途方もない楽観主義を超えて収めたCMS Expoでの成功も、氷山の一角にすぎない。

計画の更新と披露の共有を楽しみにしつつ、私達は MODX3 の基礎を洗練し続けていく。また、EvoとRevo双方の素晴らしい点を作る支援をしてきた人々から、積極的にフィードバックと参加を募るつもりだ。

それまでは国中(※アメリカ)で、また近い将来は海外の幾つかのスポットで、私を捜してみてほしい。それと、本当に世界を変えるためのチームに参加するのに必要なものがあるのなら、私達は確実に話をしたいと思う。



(ブログ記事はここまで)


趣旨を整理すると、下記のようになります。

日本公式サイトでは今後もEvolutionの改善を続けますが、本家版としては改善の成果はMODX3.0に反映されます。当面はアップグレード対応が直ちに必要になるということはありません。

MODX3.0が実用に達するまで3年はかかると考えられます。現Revolutionも日本語環境で使うには粗削りな部分が多くシステム的にも複雑なので、安定版としては現時点ではEvolutionの採用をおすすめします。

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  • KAGOYA
  • ASP at AKIHABARA Japan
  • CMS AWARDS 2007 Winner
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